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不愉快なプレゼント [日記・雑感]

私の家から歩いて3分ぐらいのところに阪神地区ではわりと有名なコーヒー店がある。チェーン店になっていて私が住んでいる市内には4店舗あるらしい。
 私は実家の母がコーヒー好きで昔からよく飲んでいるせいか、自分もなんだかんだ言ってドリップコーヒーをよく飲む方だ。(家で酒を飲む習慣がないせいもあるだろうが。)インスタントで済ませることもあるが、まあ一日一杯ぐらいはいい香りのするコーヒーを飲みたいと思う方である。
 それで、ここ一、二年ぐらい時々そのコーヒー店でコーヒー豆の挽いてもらったやつを購入することになっている。
 最初コーヒー豆を購入した時にその店の会員になることを勧められた。まあ会員と言っても入会金とかを取られるわけではないが、コーヒー豆を購入した時にポイントが付くカードを作るのに300円かかったり、住所と名前と生年月日と電話番号を記入したりと、結構煩わしいような気がしてその時は断ったのである。
 しかし、そのあともその店にコーヒー豆を買いに行くたびに入会を勧められるので、まあ頻繁にここで買うわけだから入るほうが得だろうな、と考えてつい最近カードを作ることにした次第だ。

 さてこのコーヒー店のサービスの一つに、カードを持っている顧客それぞれの誕生日にプレゼントとして特典が2つほどついてくることになっている。たまたま2月は私の誕生月なので、一週間ほど前にその特典の付いたハガキが家に送られてきた。

 「お誕生日おめでとうございます。
 日頃のご愛顧に感謝して心ばかりの特典をご用意いたしました。

 特典1 ○○各店の御飲食1000円券
 特典2 ○○各店の挽き売りコーナーでコーヒー豆を全品20パーセント割引販売」

 まあけっこうお得なプレゼントなのではあるが、私にとってはちょっと気になるのが特典1だ。
 
 以前書いたように私は外出する際には電動車いすを利用している。そのコーヒー店は入口のところに階段こそないものの、道路からみるとけっこう高い二、三の段差があるので、当然のことながら店内には入れない。私は買い物をするときには必ずヘルパーが同行してくるので、その店でコーヒー豆を買う時は、ヘルパーに頼んで店員を呼んできてもらい、表で買いたいコーヒー豆を選んで自分でお金を払うようにしている。
 
 買い物の途中に寄るわけであるから、そんなにゆっくりしてる暇はないので普段は豆を買って帰るだけだが、利用している福祉サービスの中には余暇活動のために使っていい時間も認められているので、たまにはその店でコーヒーを飲みたいものだが、道路から入り口まである段差のせいで、仮に店の店員とヘルパー二人で協力してもらっても私を載せた電動車いすを入口まで運ぶのは無理である。以前に私が車いすから降りてヘルパーに支えてもらって店内に入っていったことがあるが、かなり危ない思いをした。実際なんかのはずみで転んだりしたら下はアスファルトの地面なわけであるからけがをしかねないので店内での飲食は控えている。

 その店にはコーヒー以外にもサンドイッチやフレンチトーストが注文できるので以前にそれらをテイクアウトしようとしたらば、商品の品質を保持する都合上だとかで、店内の飲食物はテイクアウト出来ないことになっているそうだ。夏にアイスコーヒーを買って帰りたいと思ったがやはりダメだと言われた。要するにこの店で店内で飲食用に売ると決められたものは持って帰ることはできないようなのだ。持って帰ることができるのはケーキだけだ。
 じゃあこの1000円券でケーキを買えるのかと言うと、特典1の備考欄に
「店内の御飲食に限ります」
とご丁寧にも但し書きがされている(笑)。せっかくの特典がこのままではパーである。
 
 しかしせっかく送られてきたのだから、このカードを持っていけば何かいい案を考えてくれるかもしれないと思い、いつものように買い物の帰りにその店に寄ってみることにした。
 店の前について例によってヘルパーさんに店に入って人を呼んできてもらう。学生のアルバイト風の男性が出てきたので
「あの済みませんがここの店長さんおりますでしょうか?」
 と話してみた。その男性は何度かコーヒー豆を買ったときに私と出くわしているので、対して驚いたそぶりも見せずに事情を察したように「少々お待ちください」と言って中に入って行った。しばらくすると店から30代前半ぐらいの男性の店員が出てきた。この人は初めてみる顔だ。
「店長は先月他の店に異動になりまして・・・私が今店長代理と言うことになっておりますが、」
 早速例のカードを見せてこちらの事情を説明すると大して困った様子も見せずにその店員は
「ああ、こちらの特典は店内の御飲食に限られていますので、店内でお食事ができない場合はダメですね」
とあっさりと答えた。

 
 私がこの店でコーヒーを飲めないのは店の中に入れないからである。電動車いすで通れるような入口になっていればヘルパーも同行してきてくれているわけだから何の気兼ねもなく他のお客さん同様淹れ立てのコーヒーを楽しめるわけだ。要はこの店の入口がバリアフリーになっていないせいで私は特典を利用できないということである。世の中すべてをバリアフリーにしろとは言わないが、少なくとも今の高齢化社会において、多くの人々が行き来する駅前に店を構えていながら、何らかの事情で店舗をバリアフリーにできていないのならば、そのことに対してそれなりの責任を感じなければいけない時代であるだろう。
 
 別にどうしてもその店でコーヒーを飲ませろ、などというつもりはない。ただ、いつも利用してもらっている客に対して、
「当店の都合でお客様にご迷惑をかけてしまって、大変申し訳ございませんが・・・」
ぐらいの言葉は常識として出てくるべきだろうと思うのだが、とんだ不愉快なプレゼントをいただいたものだった。

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