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電王戦FINALの前に思う(4) [将棋]

 将棋電王戦という企画が始まってから「将棋のプロとコンピュータの戦い」という視点で、将棋専門のテレビ番組以外でもこの話題が取り上げられるようになった。電王戦はニコニコ生放送で全局が生中継されるということもあって、「近年は将棋から遠ざかっていたが、この電王戦を機会にまた将棋を楽しむようになった」という人もいるようである。また去年の夏ごろにはNHKEテレの「サイエンスZERO」で第3回電王戦の大将戦である屋敷九段対ponanza戦に注目しながら、コンピュータ将棋がいかにして進化を遂げてきているのかが科学技術的な観点から放送されていた。

 このように新たな形で将棋という分野が脚光を浴び始めていることは将棋界にとって望ましいことであると思うのだが・・・どうも現実はそう単純ではないようだ。この現実を好ましい状況だと思ってない人々もいる。理由は明白で、プロ側が負け続けていることである。
 熱心な将棋ファンやプロを目指して将棋教室に通っている子供たちにとって、プロ棋士とはリスペクトされる対象である。一昨年、羽生名人が通算獲得タイトル数を史上最多の81にしたとき特集番組が組まれたが、取材を受けた新聞記者の一人が「棋士の多くは一生のうちタイトルを一度とるだけでも大変なことなのに、それを毎年何個も取り続けている羽生さんはまさに天才中の天才です」というような答えをしていた。
 その天才集団と称されていた棋士たちが、時代の流れとはいえ、神でも妖怪でもない、一台の機械相手に苦戦を強いられて来ているのだ。心中穏やかではない将棋関係者もいることだろう。中には将棋ソフトの開発者のことを疎ましく思っている人たちもいるのではなかろうか。
 
 そうした人々の心情が、将棋連盟が発行している「将棋世界」に内館牧子氏のエッセイという形を借りて公表されたのである。
「精神文化を学べ」
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