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「ぼくそこ」考その2~本当の安全保障とは~ [日記・雑感]

 いま私の住んでいる市内には、陸上自衛隊の駐屯地がある。
 市役所から歩いて5分ぐらいのところにある駐屯地の正門には「第三師団」という札が立てられている。
 今から16年前に私は東京からこの地へ移り住んだのだが、市役所に行ったついでだったか忘れたが、たまたまこの正門の前を通りかかって「師団」という言葉に「ん?」という具合に引っかかるものを感じた。高校の日本史の授業で聞き覚えのある単語であった。
 そう。師団というのは軍隊の部隊編制単位の一つであり、一般に陸軍は大きい順に「軍団」「師団」「旅団」という3つの組織から成り立っている。ちなみに英語ではDivisionという。
 そしてわざわざ「第三」というくらいだから他にもあるのだろうな、と思って調べてみたら、日本全国に第十師団まであるという。
 このことは何を意味しているのか。
 要するに平和憲法の都合上、「軍」という言葉を用いてはいけないので「自衛軍」とか「防衛軍」という表現ができないだけであって、具体的な部隊組織の呼称には、1945年の敗戦とともに解体された大日本帝国陸軍及び海軍において用いられていた「師団」「旅団」という言葉が、今でもそのまま使われている、ということなのだ。
 実際、日本の自衛隊のための軍需産業には、実に多くの国内企業が携わっている。(軍需企業の一覧
 別に建前上は自衛隊だけど、中身は立派な軍隊だ、というのはそれはそれで構わない。今の日本は基本的には戦争には参加しないことになっているのだから、敢えて平常時から軍隊と呼ぶ必要もないだろう。
 ただ、問題なのは、毎年それなりの防衛費をかけて作られてきた日本の自衛隊が、果たして本当に国民の安全のために使われてきたのか、ということなのである。
 かって北朝鮮による日本人拉致被害者が数多く出た。2002年に小泉首相が平壌にて故金正日総書記と対談して、実際に何人もの日本人を拉致させたという事実を北朝鮮側が認めたにも関わらず、日本に帰国できた5人の方以外は、未だに消息が不明のままだ。横田めぐみさんに関しては病気で死んだとして遺骨が送られてきたが、DNA鑑定の結果はその遺骨は横田めぐみさんではないということである。
 青山さんに言わせれば北朝鮮による拉致は、一昔前の宣戦布告を行ってする戦争とは別な形の、新しいタイプの国家による戦争だという。よその国家が自国の国民を危険な目にあわせているのに、少なくとも今の自衛隊もまだ、その国に対して何の制裁も加えることができないままである。
 去年の安保関連法案も、ただアメリカとの関係をよくしたいがために行った改正ではないのか、という疑念が残るのである。
 もちろん各自衛隊員は、いざとなれば国民の安全のために必死になって活動してくれるであろう。だが問題なのは、その自衛隊を十分に生かすだけの体制が、今の日本にはまだ出来ていないことだろうと思う。
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